大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和63年(行ツ)15号 判決 1988年3月24日

東京都港区高輪四丁目二四番三六号

上告人

王優

同港区高輪四丁目八番三三-八〇一号

上告人

大原徹也

神奈川県伊勢原市桜台二丁目一八番二四号

上告人

王正貫

埼玉県朝霞市根岸台七丁目四番一四号

上告人

大橋寿美

東京都武蔵野市祥寺北町一丁目一番一九-九〇一号

上告人

王公美

右五名訴訟代理人弁護士

吉永精志

東京都港区芝五丁目八番一号

被上告人

芝税務署長

深谷和夫

右指定代理人

植田和男

右当事者間の東京高等裁判所昭和六一年(行コ)第七九号相続税更正処分等取消請求事件について、同裁判所が昭和六二年九月三〇日言い渡した判決に対し、上告人らから全部破棄を求める旨の上告の申立があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人吉永精志の上告理由について

所輪の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所輪の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取拾判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 佐藤哲郎 裁判官 角田禮次郎 裁判官 高島益郎 裁判官 大内恒夫 裁判官 四ッ谷巖)

(昭和六三年(行ツ)第一五号 上告人 王優 外四名)

上告代理人吉永精志の上告理由

一 原審は、本件第一審判決と同様に本件各預金について、管理・支配という概念を設定し、管理・支配が推定されれば、その管理・支配をなす者に帰属する預金と推定している。

しかし、管理・支配と所有という概念は根本的に異なるものであり、管理・支配と所有とは経験則上も事実上もいえないものである。

よって、原審が安易に右解釈・認定して、明らかなる採証法則適用の誤り、審理不尽の判決に影響を及ぼすべき法令の違背が存するものである。

二 又、原審は、本件貸付金の基本通達二五〇条該当性につき、本件各貸付金先の毎朝の決算書の内容、単に営業の継続のみを認定して右通達該当性を認定している。

しかし、右基本通達二五〇条は、より具体的な債権回収不可能性を認定したうえで該当するか否か判断すべきである。しかるに、原審はいたずらに第一審の認定判断を認容したにとどまり、債権回収不可能性のより具体的認定をなしていないもので明らかに判決に影響を及ぼすべき審理不尽の法令の違背があるものである。

三 以上、いずれの理由によっても原判決には採証法則適用の誤り、審理不尽の違法が存するもので、破棄を免れないものである。

以上

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例